私には大好きな幼馴染がいます。
 
でも、その人はそんな私の気持ちに少しも気付いてくれませんでした。
 
そう。その人はハッキリ言って超が付くほどのドンカンです。
 
ハッキリ言ってその人の事が好きな人は沢山います。
 
私の通う学校でもそうでしたし・・・。
 
転校先の学校ではどうかは分かりませんが・・・。多分モテルでしょうね・・・。やっぱ・・・。
 
でも、どういう人なのかな?どういう人が彼の事を好きになったのかな?
 
ちょっと気になります。
 
これは私とそのライバルとのお話・・・。
 
 
 


 
First Contact

 
彼女と初めて出会ったのはある財界のパーティーだった。確か主催者が久瀬って言ってたけど・・・。
 
つまんなかったので退屈してぶらぶらしていた時に、偶然出会った。
 
??「ここはパーティー会場じゃないんですけど・・・。」
 
??「あはは。そうですね。でも、ああいう堅苦しいのは佐祐理は苦手ですので・・・。」
 
佐祐理という人は笑顔で答える。
 
??「へえ。あなたも・・・?私と同じね。」
 
佐祐理「はい。佐祐理はこういったパーティーよりも学校で舞や祐一さんと一緒にいた方がいいですから・・・。」
 
私はその言葉を聞いて驚いた。
 
??「えっ・・・。祐一って・・・。」
 
私は彼女に問いただした。
 
佐祐理「相沢 祐一さんのことですけど・・・。もしかしたらあなたは祐一さんのお知り合いの方ですか?」
 
??「ええ。祐は私の幼馴染ですから・・・。」
 
佐祐理「はえ〜。じゃあ貴方が綾香さんなのですね?」
 
綾香「えっ?」
 
佐祐理「祐一さんがこの前貴女の事を話してくれましたから。」
 
私はそれを聞いてポンと手を打つ。
 
佐祐理「では改めまして。佐祐理は倉田 佐祐理と言います。あなたは・・・。」
 
綾香「来栖川 綾香です。以後お見知りおきを。」
 
佐祐理「はえ〜。じゃああの電子機械で有名なあの来栖川の・・・。」
 
綾香「はい。その来栖川です。」
 
自己紹介の後に私達は暫く話し合った。

 
綾香「でも、世の中って本当に広いようで狭いですね。こんなパーティーに祐の知り合いがいるとは思いませんでしたよ。」
 
佐祐理「あはは〜。そうですね。佐祐理もびっくりです。」
 
彼女は笑顔で答えた。そして・・・
 
佐祐理「あの〜綾香さん。」
 
綾香「はい。」
 
佐祐理「綾香さんは何故祐一さんの事を祐と呼ぶのですか?ちょっと聞きたいのですが・・・。」
 
佐祐理さんが私に質問する。
 
綾香「アメリカにいた時はみんなからユウって呼ばれてたからですかね。それで、私も祐って呼ぶようになったんですよ。」
 
佐祐理「はえ〜。そうですか。でもびっくりです。祐一さんもアメリカにいたなんて。」
 
綾香「ええ。私が両親の都合でアメリカに移住したのとほぼ同時期に彼も父親の都合でアメリカに移住しましたので・・・。」
 
佐祐理「はえ〜。祐一さんも帰国子女だったのですね。」
 
綾香「ええ。祐から聞きませんでしたか?」
 
佐祐理「いいえ。聞いていませんよ。」
 
綾香「そうですか・・・。まあそこが祐らしいと言えば祐らしいんですけどね。」
 
佐祐理「えっ。」
 
それを聞いて佐祐理さんは驚きの声をあげる。
 
綾香「彼は・・・何故か私と違って自分の事を隠そうとしますから。7年前のあゆちゃんの事故が起こった後から・・・。」
 
佐祐理「そうですか・・・。佐祐理もまだまだですね。」
 
綾香「えっ?」
 
佐祐理さんの言葉に私は首をかしげる。
 
佐祐理「だって祐一さんの事を理解しているつもりでしたのに全然理解していないと分かりましたから。だから、佐祐理はまだまだです。」
 
綾香「ちょっ・・・。それどういう事?」
 
佐祐理「佐祐理は祐一さんに助けられた人間の一人ですから・・・そして祐一さんの事が好きな人間の一人ですから・・・。だから、祐一さんの全てを知りたいのです。」
 
綾香「ねえ佐祐理さん。今何て言った?」
 
私は佐祐理さんの言葉でフリーズする。
 
佐祐理「はえ〜。佐祐理も祐一さんの事が好きですと言いましたが・・・。」
 
私はその言葉に愕然とする。
 
綾香「もしかして、祐って今の学校でも物凄く好かれてるんじゃ・・・。」
 
佐祐理「はい。佐祐理だけではなく、舞も名雪さんもあゆさんも真琴ちゃんも美汐さんも栞さんも香里さんも祐一さんの事が好きですから、佐祐理も大変です。」
 
そ、そんなに・・・。祐・・・貴方引越してから何をやったのよ・・・。
 
私はもう頭を抱えるしかなかった。
 

佐祐理「でも、一番のライバルは綾香さん貴女ですよ。」
 
綾香「えっ?」
 
佐祐理「だって貴女が祐一さんと一緒にいた時間が一番長いのですから貴女が一番のライバルです。」
 
綾香「そ・・・そう。」
 
佐祐理さんはそう言うと私に手を差し出す。
 
佐祐理「貴女とは良い友達になれそうです・・・。ですが、祐一さんは渡しませんよ。」
 
いきなり宣戦布告された。そして・・・
 
綾香「上等。祐は貴女なんかに渡さないから。」
 
笑顔でその挑発に乗った。
 
佐祐理「あはは〜。これで綾香さんは佐祐理の友達兼ライバルです〜。」
 
綾香「ふふっ。そうですね。でも、負けませんよ。」
 
佐祐理「あはは〜。」
 
綾香「ふふっ。」
 
そして暫く私達はパーティーそっちのけで笑いあった。
 
 
 
これが私のライバルとのファースト・コンタクト。
 
そして、この勝負の結果は1ヵ月後に分かる。
 

FIN
 


 
おまけ
 
しかし、この二人の会話はある人物に聞かれていた。
 
それは勿論・・・
 
??「うう〜っ。佐祐理さん・・・僕と言う者がいながら。何であんな女ったらしの相沢なんかを・・・。・・・でも待てよ。相沢があの来栖川のジャジャ馬女を選べば・・・佐祐理さんはきっと僕を・・・。でも・・・相沢が佐祐理さんを選んだら・・・。」
 
その人物は妄想にふけって一喜一憂していた。
 
その人物の正体は言うまでもなく・・・久瀬だった。(だってこのパーティーは久瀬家主催だしね。)
 
ちなみにこの久瀬の呟きは後で綾香の耳に入り、久瀬は綾香によってボコボコにされたのは・・・言うまでもない。


あとがき
 
菩提樹「どうも菩提樹です。このSSは『Kanon』本編のオールエンド後そして『再会の春』の約1ヶ月前のお話です。本当なら芹香さんや祐一も登場させたかったのですが、出せませんでした。すみません。」
綾香「謝るくらいならちゃんと登場させなさいよ。祐はとにかく姉さん只でさえ存在感が無いんだから。」
菩提樹「はい。すみません。」
佐祐理「でも、菩提樹さんは何故このようなSSを書かれたのですか。」
菩提樹「書いてみたかったから。それだけです。」
佐祐理「あはは〜。そうですか。」
久瀬「そんなくだらない理由で僕は来栖川のジャジャ馬女にボコボコにされたのか・・・。」
菩提樹「はい。そうです。」
久瀬「きっ、きさま〜。(菩提樹に食って掛かる)」
綾香「誰がジャジャ馬女ですって・・・。(怒)」
久瀬「それは勿論く・・・。あ〜っ。(綾香にボコボコにされる)」
佐祐理「久瀬さん・・・。逝ってください。アーメン。」
菩提樹「久瀬・・・。さらば・・・。」
綾香「ったく私がこのSSの主人公なのに。まあいいや。では最後に、このSSを読んで下さった皆さんありがとうございました。」
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送